アスベストの有無を明確にするときに行うのが定性分析、アスベストが対象物に含まれているのか否かを目視のみで判断できないときに行われます。石綿と呼ばれることもある建材ですが、飛散した繊維を吸い込んでしまうと肺がんや悪性中皮腫など、健康被害に繋がる可能性が高いので解体工事はもちろんリフォームを行う前など専門業者に調査や分析の依頼が必要です。アスベストの有無を明確にするときには定性と定量、2種類に分析方法があります。試料を採取して行う点については共通していますが、定性ではアスベストの有無を調べますが、定量の場合は含有量を調べるなどの大きな違いがあることを覚えておきましょう。

仮に、含有していないなどの判断が付いたときには含有量を調べる必要はありません。このことから最初に定性分析を行い、さらに含有量の把握が必要なときは定量分析を行う流れになることが分かるのではないでしょうか。なお、解体工事を依頼する側が調査などの費用を負担することになるわけですが、含有の有無を確認する定性の場合は、検体ごとに2万円前後の費用が掛かります。検体数が多いときや含有量も調べなければならないなど、定量による調査を実施するとその分だけコストが高くなります。

また、定性の場合は偏光顕微鏡やX線解析・位相差分散顕微鏡などのやり方でも必要が変わり、一般的に偏光顕微鏡よりX線や位相差分散顕微鏡などのやり方の方が費用が多く掛かるといわれています。