アスベスト分析には、JIS法と呼ぶ日本工業規格のJISA1481の-1~-3までの3種類の規格が設けてあります。ここでは、3つの規格の特徴を中心に解説します。従来型のアスベスト分析は、JISA1481で行われていましたが、平成26年(2014年)3月28日に新規格が登場したことで廃止となりました。基本的に、JIS法を実施するためには厚生労働省の公式サイトの中で公開が行われている、石綿建材分析マニュアルに記載してある通りに作業を進めることが重要です。

このマニュアルは改定されることもあるので、ダウンロードしてそれを見て作業するのではなく常に最新版を参照できるよう工夫も大切です。JISA1481-1は、偏光顕微鏡法に習熟した顕微鏡の利用者向けの規定で、作業手順などの記載はありません。ちなみに、JIS法以外にもISO法と呼ぶ手法も存在していますが、ISO法を実施する場合は習熟度に応じて行う必要があります。測定関係団体が実施している講習を受講したり、自社内で研修を行ってJISA1481-1が要求する程度の技能を取得しておく必要があります。

JISA1481-2は、アスベストの定性分析で、石綿の含有率を調べるための規定です。JISA1481-3はアスベストの定量分析で石綿が含有しているのか否か、対象物の重量に対して0.1%以下であるのか否かを判定するための規定になります。なお、0.1%を超えている場合は除去などの作業が求められます。