アスベストは石綿と呼ばれ、天然に算出される線維状ケイ酸塩鉱物で、「せきめん」とも読まれています。その種類には、クリソタイル(白石綿)やアモサイト(茶石綿)やクロシドライト(青石綿)やトレモライトやアクチノライト、アンソフィライトの6種類があります。加工しやすく、断熱性や電気絶縁性や耐酸性、耐アルカリ性や耐火性に強いのが特徴です。線維が細かく、アスベストを使った研磨機、切断機を使用した作業中に、誤って吸入してしまうリスクがあります。

その繊維は肺線維症(じん症)、悪性中皮腫、肺がんになる原因の物質です。アスベストによる健康被害は、長い年月を経て出現します。中皮腫などは、吸入してから35年の年月を経て発現するのです。2006年に石綿の使用が禁止されますが、それ以前の建材や吹き付け材には使用されているので、その除去には検査と専門的な知識が必要になります。

アスベストの検査には3つの方法があります。国際的な基準に合わせた実体顕微鏡と変更分散顕微鏡を使用した検査方法で、建材を顕微鏡で観察、抜き取った繊維から石綿の有無を調べる方法です。建材を粉砕して、その中に石綿が含まれているか調べる検査もあります。砕いた建材をX線解析装置で定性分析、位相差分顕微鏡で判定する方法が二つ目の方法です。

三つ目がX線解析装置で定量分析する方法です。一つ目の方法は、高価な機材を必要としない方法ですが、人の目で検査するので熟練の技術が必要になります。判定の時間が短いのも特徴です。二つ目の方法は、熟練の技術が必要ありません。

2021年にさらに法律が改正され、石綿使用の対象が拡大され、調査と報告も必要になります。適切な処置方法をとらないと、罰則も科されます。注意しましょう。