建築物の解体工事を行う際には、大気汚染防止法の法律で事前にアスベストの調査を行う義務付けがあります。これは、書面を使う方法から報告書の作成まで、経験豊富な専門業者に一任するのが一般的です。最初に行うのは書面を使ったもので、建物の設計図や仕様書など設計図書に記載してある建材や工法などでアスベストが含まれているのか否かを調べる作業です。事前に調査対象の建築物の情報を把握するためにも欠かせないもの、現地での作業を効率的に行うことにも繋がりますし、アスベストが含まれた建材の見落とし防止にも役立ちます。

設計図書だけで建築物の状態全てが掲載されているとは限りませんので、使用状況を判定するためには現地での目視での確認も必要不可欠です。現地の場合は、設計図書通りの建材が使用されていることや設計図や仕様書に記載がない建材の有無なども確認します。なお、現地調査を実施してもアスベストの有無が明確ではないときは、現地からサンプルを採取(含有が想定される部分の建材の一部)し、これを試料の形で専門機関に対し定性分析や定量分析の依頼を行います。ちなみに、定性分析はアスベストの使用が行われているのか否かを確認するためのもの、定量は使用が認められていて含有量を知りたいときに行われる分析です。

そのため、定性分析で含有が認められない場合は含有量を調べる必要はないわけです。作業終了後は報告書の作成、含有の有無に関係なく調査結果を都道府県など対して提出します。