住宅を解体するとき、アスベストの使用が行われている可能性があるので調査を行うのが一般的です。この調査は義務付けが行われているもので、解体工事業者が実施して安全性の確保を行います。また、2022年4月1日から、アスベスト有無の事前調査結果を都道府県などに対し報告を行う義務化もスタートしているので、解体工事を行うときには避けて通ることはできない作業になっています。報告の義務化は、建築物の解体工事で対象の床面積の合計が80平米以上、建物の改造・補修作業や工作物の解体・改造・補修作業など、これらの請負代金の合計が100万円以上、このような条件を満たしている場合に必須です。

アスベストは事前調査を行い、含有の有無を確認することになりますが、事前調査は目視と設計図書を利用したやり方になるので、目視や設計図書だけでは十分な確認が取れないこともあります。このようなときに行われるのが定性分析と呼ぶもの、これは現地からサンプルとなる試料を採取してそれを専門機関に渡すことでアスベストの有無が分かるようになります。使用されていないことが明確になれば、解体工事のときにアスベストの除去といった作業が要らなくなるので、作業者は安心して解体工事を行うことができますし、施主も余計なコストを掛けなくても良いので費用面においても大きなメリットになって来るわけです。なお、定性分析は使用の有無を確認したいときに行われるもので、使用されていることが分かりさらに含有量を分析したいときは定量分析を実施します。