日本は超高齢化社会を迎えていると言われています。しかしそれは人間の事だけに限りません。日本では過疎化している地域があることも手伝って、今は昔の廃屋や古い建物が多く残ってしまっています。そこで今問題になっているのが、この建物について昭和の高度経済成長期に使われていたアスベスト問題です。

これは耐火性・耐熱性に優れており、安価で手に入る石綿を使用していた物件の問題です。石綿は繊維が非常に細かいので、気が付かぬうちに吸い込んでしまいます。それが体内に蓄積される事によって、肺がんのリスクが高まるだけでなく、中皮腫の原因となる深刻な問題です。このアスベストの使用については昭和50年頃から徐々に禁止となっていますが、今でもアスベストを使用した建物は残ってしまっている状況なのです。

新しい建物であれば問題ありませんが、昔からある工場などで働いている方はもしかしたら、その建物でアスベストが使われていて、知らぬ間に吸い込んでしまっているかもしれません。このように石綿問題はいまだに根強く残ってしまっています。自分には関係無いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、定期的な検査が不可欠です。なぜなら石綿による中皮腫は、発症までに時間が掛かるからです。

ですから少しでもおかしいと感じたら検査をすることをおすすめします。また、アスベストの使用疑いがある建物で仕事をしていた可能性のある方は、会社の健康診断でも検査項目がある事もありますので、定期的な検査をしていきましょう。