アスベストは天然繊維です。一見非常に健康に良さそうなイメージを抱く人も少なくありませんが、実は健康被害が甚大で法的に大きく規制されている成分であるため、確実に確認したうえで利用することが重要といえます。そのため、令和5(2023)年10月1日以降に解体・改修工事を行うすべての建築物でアスベスト検査を実施することが義務付けられました。検査をする人は厚生労働大臣が認めた講習を修了している物のみとなっています。

とはいえ、すべての建物で対象となっているわけではありません。実は工作物に対してはこの対象外となっていることが多いからです。工作物とはエクステリアと定義するとわかりやすく感じる人が多いといいます。基本的に柱や屋根がついていないけれど建てられているもののことを指す言葉で、建物以外で土地に接着して作られた人工的なものを指すといいます。

そのため、塀や門扉を解体・改修工事をするときには有資格者がわざわざアスベストの検査をすることはありません。ただし政令138条で指定されている工作物よりも大きなものの場合、建築物と同等の構造計算や確認申請が必要となるため、検査に対しても同様といえます。たとえば遊園地でお化け屋敷を解体する場合は屋根も柱もついているため、建築物です。高さが15メートルを超す鉄筋コンクリートのモニュメントがあった場合は、建築物に当たる可能性があるため事前によく確認しておいたほうがいいでしょう。